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付き馬


【付き馬】(早桶屋)(つきうま、はやおけや)

【登場人物】
口の上手い遊び人
口車に乗ってしまう吉原の若い衆
早桶屋の主人

【概要】
 遊び人が、集金に行く途中だから金がないが、「宵勘(よいかん=宵勘定。晩のうちに勘定をする)」でなくてもいいのなら、明日には金が入るから、それでもいいのならと登楼する。「判」を忘れてきたので、向こうで信用しないからと、吉原の若い衆と一緒に集金に行く。

 吉原では、金の無い客にくっ付いて金を取りに行く若い衆を「付き馬」あるいは単に「馬」と云うが、遊び人は上手い事を云って「馬」を騙し、湯に入ったり湯豆腐で一杯やったりするが、ハナから金は持ってないので、馬に建て替えさせて、お釣りは自分で取ってしまう。

 あそこの早桶屋が私のおじさんだから、今、お金をこしらえて貰うように頼んでくるから、ここで待っていてくれと云って、早桶屋で「図抜け大一番」と云うとんでもない大きい早桶を注文し、出来上がったら、あそこで待っている男に渡して下さい。『じゃあおじさん。すいませんがこしらえて下さい』と云ってドロンしてしまう。馬と早桶屋の主人は、遊び人のペテンにそれぞれ云い含められてますので、何となく辻褄が合ってしまう。

 さあ出来たと云って見せられたのは「図抜け大一番小判型」の早桶。『こりゃ何です?』。『てめぇ~が注文したんじゃねぇ~か』ってんで、『銭払え!』。『ねえっ!』となり、『オイ奴。ナカまでコイツの馬に行け』

【資料音源】
①花形落語特撰/六代目 三遊亭圓生/TECR-20034・・・昭和34(1959)年2月26日収録(58歳)28:26

【雑感】
 一般的には「付き馬」の演題ですが、圓生師匠は「早桶屋」の演題でやってます。「早桶」と云うのは、「棺おけ」の事なのですが、現在のものとは違って、大正の初めの頃までは、丸い桶と云うか樽に座らせて入れた座棺でした。落語に出て来る棺桶は悉くこの早桶です。縄を掛けて天秤棒を通し、先棒・後棒の二人で担ぎ、焼き場へ持って行く。

 「付き馬」となった由来は、志ん生師もやってますが、以前は雷門の前に馬子さんが待機していて、この馬に乗ってナカへ繰り出したそうです。現在に残る「馬道」の由来は、馬子さんが往来したからです。白馬で行くのが最上等だったそうです。現在は、「車屋」と云う人力車が待機しています。と云っても、これは専ら外人観光客向けのようですが・・・。

 で、中には、勘定が足りなくなるお客もいる訳で、その馬子さんがお客の家へ取りに行った。馬を外に繋いでおくから、『あの野郎。またナカから馬を引っ張って来やがった』となる訳で、後には、客引きがこれをやるようになって、客に付いて勘定を取りに行く人間を「付き馬」あるいは単に「馬」と云うようになった。

 データ・・・五代目 古今亭志ん生 明治23(1890)年6月28日~昭和48(1973)年9月21日 享年83歳 前名=七代目 金原亭馬生 出囃子=一丁入り 紫綬褒章 勳四等瑞宝章 本名=美濃部孝蔵

 この音源のデータは不明です。志ん生師の声の感じから、65~7歳くらいではないでしょうか・・・。収録場所は、矢鱈、都電の警笛音が入っているので、人形町の末広亭と思われます。

 私の資料を大雑把に調査したところ・・・まだ記事にしていない志ん生師の演目が7つありました(別バージョンは除く)。「お血脈」「干物箱」「松山鏡」「雪とん(お祭り佐七)」「本所七不思議」「毛氈芝居」「和歌三神」です。前の三つは、他の噺家さんで言及しています。
 追記・・・
 「本所七不思議」と云う演目を聴き直して見たら、これは、「おいてけ堀」として、既に言及しているものでした。「浅井の化け物娘」と云うのが本題で、それを志ん生師は、「本所七不思議」と「おいてけ堀」と云う演題でやってます。詳しくは、以下のページで・・・
http://ginjo.fc2web.com/45nanafusigi/nanafusigi.htm

コメント

No title

自分は、志ん生さんの「付き馬」と圓生さんの「早桶屋」の両方の音源を持っています。未確認ですが、志ん生さんも「早桶屋」の演題でこの噺を演ったことがあるそうで、その音源もCDになっているようです。もっとも最近では専ら「付き馬」で演じられているようで、自分が持っている志ん朝さんや柳朝さんの音源もこの演題で演じられたものです。

No title

ヾ(^▽^*はははっ!!。やっぱり解説が有ると、きゃんにもわかります。お陰で面白かったす(⌒∇⌒)♪。間の取りかたでも、笑いを誘えるんですね!!。

No title

万年さん。この演目に関しては、「付き馬」の方が適当でしょうねぇ。主役は、馬となった妓夫(ギュウ)なんですから・・・^^。とばっちりを受けた「早桶屋」さんが主役じゃないんで・・・^^。圓生師匠の演題の付け方は、独特の頑固さがあるんで・・・^^。それと、このバージョンの志ん生師は、長いけど、本題は、かなり端折っちゃってる感じがします。聴き慣れない人に判るかなぁ~って感じです。金馬師匠のは15分だけど、もっと判り易いと思います。

No title

きゃんさん。落語の演目の記事って難しいんですよ。どこまで書いていいのかって~のがあるんです。推理小説を解説して犯人まで書いちゃったら・・・^^。落語演目解説の場合、サゲを書くべきかどうかで迷います。「大工調べ」のように、解説しないと、サゲの意味が判らないってものありますが・・・。このバージョンを改めて聴き直しても、十個以上の語句に付いて解説して置かないと、今の若い方には判らないんじゃないかと思ってます。

No title

わからない言葉は、沢山有ります。だから所々しか通じてないかもしれませんが・・・そこは雰囲気で(^^ゞ。。漢字っていいですね一つ一つが意味を持ってるから、読めなくても大体の雰囲気だけわかります。当て字を使われると大変ですが・・・(--;。

No title

落語のサゲは良くわかりませんが。好きな話は最後のオチに近づくにつれてワクワク、ドキドキしながら待つのが楽しくて何回も聞いちゃうものが有るます。推理小説も二度目の方がワクワクしたりして(((^^;。。楽しみ方って人それぞれ??。けどやっぱり落語は難しいヾ(;´▽`A``アセアセ

No title

おい、ヤッコ(奴=小僧)、ナカ(吉原)まで、ウマ(金の取立て)に行け。これが、この噺のサゲなんですが・・・お判りになりましたか?^^。マクラ(枕=本題に入る前の話)で、付き馬の事を、ある程度説明しておかないと、判りにくかったりしますね。ウマは出て来ませんが、ただ同然で遊んじゃおうと云う図々しいのが、「五銭の遊び」とか「居残り佐平次」です。

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