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たいこもち


 幇間(たいこもち、ほうかん、たいこ)の噺を演らせたら、文楽師匠の右に出る噺家はいません。私が子供の頃には、文楽師匠は、元、幇間だったと思っていました。長じて調べてみると、幇間経験のある噺家さんは何人かいますが、文楽師匠は幇間だった経歴はないようです。

 「講談師、観て来たような嘘を云い」とのフレーズがあります。噺家は、江戸時代や明治・大正時代のドラマを一人で何役も演じます。この人は、本当にその職業をやっていたと思わせる話芸が要求されるのです。つまり、「噺家は、して来たような嘘を云い」でなければならないのです。

 素人が鰻を捕まえる仕草はどのようにしたらいいのか?などを、何年も考え続けたのが文楽師匠です。熱中するあまり、電車の中で語ってしまい、乗客が大笑いしたと云うエピソードも残っています。

 大師匠たちは、それほどまでに懸命に努力をして、自分の話芸を完成させたのです。だから、私は、何度でも大師匠たちの音源を聴き続けます。それほど、聴かせる芸を持ってます。今の落語家と称する連中のモノは、30秒も我慢出来ません。

 データ・・・八代目 桂文楽 明治25(1892)年11月3日~昭和46(1971)年12月12日 享年79 前名=翁家馬之助 出囃子=野崎 本名=並河益義 通称=黒門町

 黒門町の弟子だった、先代の七代目 圓蔵(今の圓鏡の八代目 圓蔵の師匠)は、普段の喋りまで、師匠の口調になっちゃってました。つまり、それほどまでに、弟子は師匠に心酔してしまうのが、落語界の師弟関係なんですね。

 今の東京の落語界がどうしようもなくなっちゃったのは(上方は、上手く行っていると思います)、頑固な師匠と、やる気のある弟子と云う関係が希薄になってしまったためではないかと思います。厳しくすると、大卒の弟子は、ヘソを曲げて辞めてしまう。

 「お天道様と米の飯は付いて回る」じゃないけれども、テレビ・タレントって云う半端仕事は付いて回るって訳でね・・・そんな環境からは、名人が出て来る訳が無い。昔の噺家は、放蕩の挙句に、やっと得俵で、噺家と云う職業を掴んだ訳ですから、もう、後が無いと云う、死に物狂いで稽古に励んだんですね。

 今は落語家になるのは、タレントへの登竜門みたいになっちゃってますが・・・昔は、浮浪者になるか噺家になるかってような、ハングリーな職業だったんですね(^ω^)

 ちょっと、サゲが漢字に変換しにくいと思いますが・・・「ご近火のお手伝い」ですね(^∇^)

コメント

No title

文楽さんの電車でのエピソードを読んで、以前、TV番組で立川志の輔さんが「入門希望に往復はがきを使ってきたのがいる」なんて言っていたのを思い出しました・・・まったく別の世界に感じます。

平助さん、重い荷物を担がされるわ打たれるわ・・・幇間も楽なご商売ではないのですね。でも、何を食べてお茶を飲んだのでしょう?すごくおいしそうで、聴いていてとても気になりました。「明烏」の時は甘納豆でしたね~

No title

桂文楽師匠の「出囃子」は「春団治」なんですね。
ハングリーですか!
確かに、ドノ分野も懸けている日本でしょうね。
とくに「相撲」なんて、そのまま、絵に描いたような事態に
なっていますね。
江戸ならではの「火事」が名物だから
落ちる話なんですね。

No title

*梅さん。。
昔の師匠は、滅多な事では弟子なんか取らなかったんですね。特に、内弟子と云って、師匠の家へ住み込みの弟子ってのは取らなかったんです。
文楽さんは、口にモノが入っていると云う状況で語るのが上手かったですね。ここでは、何を食べているんでしょうか・・・?
枝豆みたいな感じもしますが・・・「馬のす」と云う演目では、実に見事な食べ方をしています(^ω^)

No title

*お菊さん。。
「野崎」と云う出囃子を、春團治の出囃子に決めたのは、今の三代目 春團治の実父の二代目なんです。初代は、ご承知のように、「ぞろぺぇ」な人でしたから、野崎を使っている音源は数演目しか残ってません。
八代目 桂文楽は、二代目 春團治に、東京でこの出囃子を使わせてくれと許可を取りましたが・・・桂派の上方落語家で、東京に居付いて、上方落語をやった噺家さんは、ほとんどが出囃子に「野崎」を使っています。
幇間と云う職業は、商家の旦那を客にしている訳ですから、その店がある方面が火事となると、真っ先に掛け付けると云うのが、決まりなんです。
「富久」なんかも、幇間が旦那の家の火事見舞いに夜中に掛け付けるって噺ですね。

No title

火事の話って、いくつかありましたね。
だから、ポチ袋や浴衣柄に「マトイ」がデザインされて
なかなか、粋な品物がアリますね。
同じ「出囃子」が何人もつかわれることがあるんですね。

No title

*お菊さん。。
火事が根多になっている落語と云うのは、実~にたくさんあります(^ω^)
ねずみ穴、味噌蔵、富久、帯久・・・などですが、ドラマチックなのは、何と云っても、「火事息子」ですかねぇ(^∇^)
出囃子は、同時期には、一人一曲が原則です。ただし、協会が違う場合は、同じ寄席の高座には立ちませんので、同じ曲でも構わないって事になってます。
噺家が登場する前に出囃子が演奏されますが、それを聴いて、次は誰だと判る仕組みになってます(^ω^)

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