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らくだ


 「らくだ」は、上方落語の演目の一つ。人物の出入りが多い上に、酔っ払いの芝居が入るなど演者にとっては難しい演目で、「真打の大根多」とされています。演題は、主人公のあだ名の事ですが(上方では「らくだの卯之助」、東京では「らくだの馬」とするのが普通)、登場した時には既に死人と云う、他に例の無い噺。

 本題は「駱駝の葬礼(そうれん)」。上方落語の四代目 桂文吾(1865~1915)が完成させ、大正時代に三代目 柳家小さん(1857~1930)が東京へ移植しました。当時、小さんが本郷の若竹亭と云う寄席で良く掛けていたため(三代目 桂米朝は茅場町の宮松亭であっただろうと述べている)、「若竹(宮松)へ行けばらくだの尾まで聞け」と云う川柳ができたほど、この演目は流行したらしい。

 「ラクダ」と云うあだ名については、文政四(1821)年、両国に見世物としてラクダがやって来た事に由来します。砂漠でその本領を発揮するラクダですが、それを知らない江戸っ子達は、その大きな図体を見て「なんの役に立つの?」と思ったらしい。そこで、図体の大きな人や、のそのそした奴をラクダになぞらえて表現した事が下敷きになっています。

 東京では五代目 古今亭志ん生、八代目 三笑亭可楽、六代目 三遊亭圓生、上方では戦中、戦後は四代目 桂文團治、四代目 桂米團治、三代目 林家染丸、六代目 笑福亭松鶴がやりましたが、その中でも、六代目 松鶴の「らくだ」は特に評価が高い。三代目 古今亭志ん朝は、若き日に、七代目 立川談志と共に来阪した際に、松鶴の「らくだ」を見て、そのあまりの完成度の高さに、しばらく二人とも口が利けなかったと述懐しています。三代目 桂米朝も「らくだ」を演じていますが、松鶴存命中はあえて演じなかったようです。(出典=ウィキペディア)

 この「らくだ」と云う演目を最後まで語るには、一時間近く掛かるので、たいていは、実は酒乱の屑屋が酔っ払って、「ヤタケタの熊(=松鶴バージョン。らくだの兄弟分の名前は演者によって様々に変わります)」に命令するところで噺を終えています。その後は、らくだの屍骸を早桶に入れて屑屋と熊で、火屋(ひや=火葬場)まで運んで行きますが、その火葬場は、上方落語では千日前。東京落語では落合の火葬場となります。

 歌舞伎にもされて、岡鬼太郎が脚色した「眠駱駝物語」は、初代 中村吉右衛門の久六(屑屋)が当り役になりました。さらに榎本健一によって喜劇化された「らくだの馬さん」は、エノケンの久六と中村是好の馬の配役で人気を集めました。また、三木のり平さんが久六を演じた芝居も私はテレビで見ています。

 データ・・・六代目 三遊亭圓生 明治33(1900)年9月3日~昭和54(1979)年9月3日 享年79 前名=六代目 橘家圓蔵 出囃子=正札附 本名=山崎松尾

 でもまあ・・・この根多は、「鰻の幇間」同様、圓生さんの芸風には合わないってのがありますね・・・(^ω^)

コメント

No title

藪師匠、
この「らくだ」なんですが、昔、三木のり平と、相手は誰だったか忘れてしまいましたが、劇場で見たことがあります。
たしか、相手は「ゆりとおる」だったですかね・・・・・

それで、この話の内容を確りと覚えてしまったのですが、とてもコミカルで、面白い話だと思います。
私の秘蔵CDにはストックがありませんでした。残念・・・・・
朝食後、じっくりと聴かせて戴きます。

No title

鶴瓶さんが数年前「らくだ」で全国ツアーをやりましたね

でもやっぱり六代目の「らくだ」は別格ですね!

No title

追伸、
藪師匠、圓生師匠のラクダの音源を聴いた後に、再度CDを見て見たのですが、ありました。
八代目・可楽師匠のが、富久と一緒に入っていました。
話は変わりますが、この音源の最初の歌の部分は、時代劇の芸者を揚げての宴会場面で、太鼓持ちが歌っていたいたのを見た記憶があります。
その時の太鼓持ちは、確か「平凡太郎」だったと思います。

No title

らくだに関しては色々思い出がありますが、面白かったのは映画「寝ずの番」での死人(シビト)のかんかんのうの場面です。
あの映画は面白かった。

No title

*エキさん。。
うーん、どうでしょう。
私も記憶が定かではないのですが、のり平さんは、東宝の映画人であり、由利徹さんは浅草芸人なんで、その接点は無かったんじゃないかと思います。のり平さんと舞台で共演した可能性のある人は・・・有島一郎さんとか、伴淳三郎さんとか、フランキー堺さんだったと思います。

No title

*らくこやさん。。
私は鶴瓶の「らくだ」は聴いた事がありませんが、鶴瓶は六代目から「らくだ」の稽古を付けてもらったんですかねぇ?

この演目は、圓生さんのようなきっしりした芸風の噺家さんには合わないんですよ。米朝さんも同様です。ああだこうだって理屈を付ける談志もダメ。談志よりチャランポランの小三治のらくだの方が良いですよ。

「らくだが死んでら」で済ましちゃう志ん生は、談志はそれじゃダメだろって云いますが、芝浜で、浜の明ける情景なんか語る必要が無いのと同様に、らくだがどのように死んでるかなんて語る必要は無いと思います。

何故、らくだは六代目なのかと云うと・・・流暢な語りでは無いってのと相まって、どう展開するのか判らない迫力があるんですよ。八代目 可楽の語りにもそう云う面があるんです。志ん生は、ぞろっぺぇに見えて、計算し尽くしているので、この演目の持ち味である脱線しかねない危うさが無いんです。この噺を上手くまとめようと思ったら大間違いで、どう転ぶか判らないところにらくだの面白さがあるんです(^∇^)

No title

*エキさん。。
富久とのカップリングのらくだは、落合の火屋までやってサゲを付けてるバージョンでしたっけ?

らくだはいろんな事を語らなくてはならないので、時間が掛かるので、たいていは屑屋が酔っ払ったところで終わりにしちゃいますね。

平凡太郎(たいらぼんたらう)は懐かしいですね。ウィキで調べたけど存命かどうか判りませんでした。ちょっと、トリオ・スカイラインの東八郎的キャラでしたね(^ω^)

No title

*けんちゃん。。
津川雅彦さんがマキノ雅彦の名で監督した、第一回作品で、中島らもさん原作の、松鶴の自伝的映画=寝ずの番を私は見はぐっちゃいました。記事に予告編を追加しておきました(^∇^)

No title

師匠、
その当時は「平凡太郎」を、「へいぼんたろう」と真剣に読んでいました。
当時「平凡」という雑誌がありましたので(笑)・・・・・

それにしても、このらくだの屑屋は散々苛められて、いいの面の皮ですよね。

ちなみに、屑屋というのは、放送禁止用語になっているそうです。

No title

まだ時間がなくてせっかくの圓生師匠の「らくだ」を聞かせていただいていないので何も言えませんが…
松鶴は鶴瓶に落語は一切教えていないと聞いています。
おかみさんの「あーちゃん」のお話ですが鶴瓶が戻る時間になると逃げ出したって仰っていました。
一度銭湯で捕まって…鶴瓶が落語を教える事をうんと言うまでは風呂から出ませんと言って一緒にお湯に入っていたら、松鶴師匠は風呂で湯だって倒れたって聞きましたよ。

No title

藪さん
これがしばらく、ご無沙汰になるかもしれないコメントです。

「らくだ」は、圓生師匠で聴きました。「かんかんのう」も「百席」で聞きました。この「大根多」は、志ん生、馬生、志ん朝の古今亭系統、圓楽や談志、小三治も聞きました。ほかの有象無象を聞きましたが、上方の方々もいいですね。
でも、寝る前に聞くには、八代目可楽師匠に限りますね。

屑屋を気の弱い哀れな「被害者」と描くか、屑屋に身を持ちくずさらざるを得ない「ハネッ返り」と描くかの「勝負」でしょうね。
前半だけで終わらせるなら前者、全部を演ずるなら後者のほうがあってるように思いますね。

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*エキさん。。
そうですね。週刊平凡・週刊明星が全盛の時代でしたからね。
平凡パンチが創刊されて、センター・フォールド(真ん中のページ)にあった、今ではどうって事無いパイオツが見えてるだけのヌード写真に・・・こんなものを見ると頭がバカになると学校の先生が云うので、見てはいけないものとして見ました。興奮したなぁ(^-^)v

最近は、何を見ても興奮しない。やっぱ、規制するから興奮するんだなってのが、私の結論だス(^ω^)

松鶴の艶笑落語を上げたくなっちゃいました~(^ω^)
大した事じゃないんですけど、松鶴のあの口調が語るから、金馬の艶笑噺よりも面白い(^ω^)

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*しゅうさん。。
私は、ちゃんと聴き込んだ上で噺家の批評をしています。それは、しゅうさんにはお判りいただいていると思います。少なくとも私がいいと云って皆様にお勧めしている音源は百回以上聴いています。

私は圓生の「らくだ」はダメだ! って申し上げているのをご理解願います。ウチは圓生なら何でも良いなんて云う軟弱なブログじゃないんです。

圓生のらくだが良いだなんて云ってる人は、落語を本当に聴き込んでいない人だと私は敢えて云います。こんなのが、良い訳ないじゃん。これがいいだなんて云ったら・・・上方の六代目の苦労に対して失礼ですよ。

圓生さんは高座ではらくだをやらなかったはずです。記録として残す意味で、出来てないけどらくだの音源を残したってレベルの出来だってくらい理解しないと・・・圓生のらくだが良いだなんて云う人には、「どこがいいの?」って、とことん追求しますよ(^∇^)

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*キャバンさん。。
まあ、ウチは落語をメインにのらりくらい、時々休息しつつ少なくとも、私のブログ娘のきゃんが復活するまでは生きていたいので、キーボードもミスタッチばかりでイライラする老人になってしまいましたが・・・ほとん無い私寿命が続く限りはキーボードを打つ事もかなり困難なほど老衰してしまって、一つのレスコメに30分以上掛かってしまう状態ながら、何とかまだ生きているって事を示すためにヤフーブログをやってます・・・orz

No title

また戻りますので、そのときにはよろしく。
少し、私の落語の記事をTBさせていただきます。

No title

大丈夫です♪
私だって聞く前から圓生師匠の「らくだ」が良いとはなかなか思えないのかも知れません。
だってなんだかんだと言いつつコメは書いても聞くためのクリックする気合いが無いんですもの。

露の五郎さんの艶話はいかがですか?

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*キャバンさん。。
昨夜はちょっと飲み過ぎたようで、コメの呂律が回ってない状態で失礼いたしました。

今もちょっと昨夜の酒が残っている感じで、スッキリしませんが、たくさんのコメをゆっくり読ませて頂きます。

No title

*しゅうさん。。
すいません。昨夜はちょっと酔っていましたので、↑の私のコメを読み直すと、しつこいくらいに圓生さんのらくだがダメだって書いちゃってますが、酒の上の事とて勘弁して下さい。

五郎兵衛さんは、あまり大きなニュースにはなりませんでしたが、今年亡くなっちゃったんですよね。以前から一度は取り上げようと思ってるんですが・・・そのうち(^∇^)

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